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ビートルズの未発表音源を一挙収録した『Anthology』[95/96年]の最大のハイライトは、何と言ってもジョンの遺したデモテープに、ポール・ジョージ・リンゴがオーヴァーダビングを施した新曲=「Free As A Bird」「Real Love」でした

この2曲はいずれも、75年以降、主夫に専念していた時期にホームレコーディングしたものでしたが、そんな休業時期を経て、ジョンは80年に5年間の沈黙を破りついに活動を再開します

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Double Fantasy / John Lennon Yoko Ono1980年11月発表 [米1位(プラチナ×3)/英1位(プラチナ)]
(Just Like) Starting Over / Kiss Kiss Kiss / Cleanup Time / Give Me Something / I'm Losing You / I'm Moving On / Beautiful Boy (Darling Boy) / Watching The Wheels / Yes I'm Your Angel / Woman / Beautiful Boys / Dear Yoko / Every Man Has A Woman Who Loves Him / Hard Times Are Over
[bonus track] Help Me To Help Myself / Walking On Thin Ice / Central Park Stroll (Dialogue)
5年間の活動休止を経てリリースされた、ヨーコとのデュオアルバム
アンディ・ニューマーク(ds)/トニー・レヴィン(b)など腕利きミュージシャンを迎えた、『Walls And Bridges』[74年]の延長上といえるポップで完成度の高い楽曲が満載
「(Just Like) Starting Over」「Beautiful Boy」「Woman」など、ジョンのスタンダード的ナンバーを収録した、篠山紀信によるジャケット含め文句なしの名盤
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しかし………
1980年12月8日、ジョン・レノン射殺される
John Lennon Shot Dead
ジョン・レノン、射殺。 [2009/12/08の記事]世界中が衝撃を受けたジョンの訃報

でしたが…
ジョージ・ハリスンは、リンゴ・スターに提供するはずだった曲の歌詞を書き換え、ジョンの追悼シングル
「All Those Years Ago」をリリース(リンゴはもちろん、何とポールもコーラスで参加)。

あなたは真実への道を指し示してくれた…"All You Need Is Love(人類に必要なのは愛だ)"って など全編ジョンへのリスペクト感に溢れています。
ポール・マッカートニーは、ジョンの訃報を機に公の場から姿を隠し、ずっと引きこもり状態でしたが、ついにリリースした『Tug Of War』[82年]にジョンに捧げた
「Here Today」を収録。「Yesterday」の続編的メロディとアレンジに乗せて

もし僕が○○○○○って言ったら、君はどう答えるだろう…と、ポールがジョンに(はじめて直球で)淡々と語りかけるこの曲、かなり沁みます

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Milk And Honey / John Lennon Yoko Ono1984年1月発表 [米11位(ゴールド)/英3位(ゴールド)]
I'm Stepping Out / Sleepless Night / I Don't Wanna Face It / Don't Be Scared / Nobody Told Me / O'Sanity / Borrowed Time / Your Hands / (Forgive Me) My Little Flower Princess / Let Me Count the Ways / Grow Old With Me / You're the One / Every Man Has a Woman Who Loves Him
[bonus track] Stepping Out (home version) / I'm Moving On / Interview with J & Y December 8th, 1980
活動再開当初、一気にレコーディングした楽曲を元に、さらに2枚のアルバムを製作するはずだった
というプランを実現すべく、ジョンの死後にリリースされた未発表曲集。リハーサル音源なので当然荒削りなのですが、そのせいか80年代的なソリッドなギターロックが目立つ。そして、やっぱり完成版が聴きたい、と思わずにはいられないアルバム。